臨港爆走記
1. はじめに
私が鉄道模型を始めて二十数年間、鉄道模型イコールNゲージという世界でやってまいりました。
それが一昨年あたりでしょうか、9mmナローの世界に足を踏み入れました。鉄道コレクションの猫屋線シリーズが始まったときです。初めての1/80でした。
こうなれば次は16.5mmゲージです。この度ついに16.5mmの世界にも足を踏み入れてしまいました。
この記事は、我が家で初めて「大きい車両」が竣工したことを報告するものであります。
2. 車両の選定
16.5mmゲージ(以下「16番」と呼称します。縮尺1/80によるものです。)の車両を手に入れるにあたり、記念すべき最初の車両は何にするか考えることとなりました。
考慮する点は3つ、走らせるスペース、今の自分の趣味趣向、対象に多少の馴染みはあるもの、です。
一つ、家は広くありません。単行で、なるべく小さい車両がよいでしょう。
二つ、先日富山のキハ120に乗ったので、気動車がよいでしょう。気動車ならば全長16mや18mの車両が豊富にあります。
三つ、じゃあキハ120でいいんでは?というところで踏みとどまって、どうせなら既製品でキットが出ていない車両をフルスクラッチで、となりました。無謀です。ぱっと思い浮かんだのが信楽高原鉄道→紀州鉄道のKR205。紀州鉄道には昔何回か乗りに行きました。紀伊御坊駅の駅員さんに優しくしてもらい、古い入場券を頂いた憶えがあります。KR205を作りましょう。
3. 製作開始〜方針転換
そうと決まれば材料調達です。鉄道模型は紙で作れると聞きました。よって軽い気持ちでケント紙を買ってきました。
罫書きます。
切り出します。
顔を作ります。
大まかな形はできました。
ここまではよかった。
しかしここで落とし穴。
寸法が合いません。前面の後退角がヒジョーーーに大きくなってしまいました。
こまった!これじゃ紀州鉄道にならん!
早くも自由形への転換を決めたのでした。
4. 架空臨港鉄道
自由形となり果てましたが、いちおう紀州鉄道に敬意を表して、臨港鉄道とします。
ハコにします。
サーフェイサーを吹き、
オデコをパテで埋めます。
ついで前照灯の穴を開け。
ここまでの材料は紙ですので、安く上がっています。
しかし、安上がりもここまでです。
色を塗りました。
この時点ではまだ非冷房。ベンチレーターはKATOのキハ110用です。
ついでにトレジャータウンの前照灯と尾灯、それと無線アンテナも付けました。各1千円ほど。計5千円。うへ。
ついでMAXモデルのクーラーとダクト。
値段はもう忘れました。
エンドウのワイパーは300円。
これで車体はひとまずおわり。
紙の性質を理解しておらず、反りが出て車体は歪んでしまいました。仕方ない、もう修正はきかぬ。
5. 下回り
動力は床下伝達としました。
パワートラックも考えましたが、線路の歪みに弱いとか、スローがきかんとか、あまり良い話を聞かんのでやめました。天賞堂のコアレスパワートラックが出たところですけれどね。
モーターは鉄コレ第一弾と同時に出た15m級動力からひん剥いたもの。
台車は日光モデルのDT22、IMONギアでの片台車駆動です。
床下機器はエンドウのキハ30用。
16m級ですので全部は収まりきらず。
連結器はカツミのダミーカプラーにしました。
連結相手は当分おりません。
サフを吹いて…、
黒を吹いて配線。動きます。
ウラはこんな感じのところ、
IMONギア用のウエイトを設置。
モーターも接着剤で直付けです。
充分でしょう。
6. 完成
懸案であった下回りが完成し、車体をくっつけ完成です。
しかしまたこまった、車体と下回りを両面テープでくっつけてしまったので、もう分解はできません。
分解の際には、同時に廃車となることでしょう。
こうして、我が家の臨港鉄道が開業しました。